日本では仮装をして楽しめるイベントとしてのイメージが強い「ハロウィン」ですが、本来、「ハロウィン(Halloween)」とは、毎年10月31日に行われるヨーロッパを発祥とするお祭りです。その起源は、古代ケルト人が行っていた祭礼「サウィン(Samhain)」であると言われています。
このサウィンとはケルトの暦で1年の終わりの日であり、現世と来世を分ける境界が弱まる10月31日に、秋の収穫を祝うとともに、悪霊を追い払う宗教的な意味合いを持つ行事として、古代ケルトの人々の暮らしに根づいていました。人々はこの悪霊から身を守るために、仮面を被ったり化粧をしたり、魔除けの焚き火をたいたりすることで身を守っていたといいます。この風習を元に、ハロウィンの日に仮装する文化が生まれました。そしてこのケルトのサウィンは中世に入るとキリスト教圏に伝わり、秋の収穫を祝って子どもたちも楽しめる現在の形の行事へと変遷してきました。また、魔除けのランタンとして本来使われていた「カブ」はアメリカで生産量が多かった「かぼちゃ」に取って代わりました。
日本でいうところの大晦日や収穫祭、お盆を組み合わせたようなイベントであるハロウィン。ただ騒いで楽しむのではなく、そこに生きていることへの感謝の気持ちを込めれば、一味違ったハロインが味わえるかもしれません。
自分磨きにお勧めの展示会情報
ハニワと土偶の近代<2024年10月1日(火)~12月22日(日)>
本展は美術を中心に、文化史の舞台に躍り出た「出土モチーフ」の系譜を、明治時代から現代にかけて追いかけつつ、ハニワや土器、土偶に向けられた視線の変遷を探ります。
田中一村展 奄美の光 魂の絵画<2024年9月19日(木)~12月1日(日)>
本展は、田中一村の神童と称された幼年期から、終焉の地である奄美大島で描かれた最晩年の作品まで、その全貌をご紹介する大回顧展です。
カナレットとヴェネツィアの輝き<2024年10月12(土)~12月28日(土)>
都市景観画(ヴェドゥータ)の巨匠カナレット(1697-1768)の全貌を紹介する日本で初めての展覧会です。スコットランド国立美術館など英国コレクションを中心に、油彩、水彩、版画等で構成します。カナレットによる緻密かつ壮麗なヴェネツィアの描写を通じ、18世紀の都市景観画というジャンルの成立過程をたどるとともに、その伝統を継承しヴェネツィアの新たなイメージを開拓していった19世紀の画家たちの作品もあわせてご紹介します。