寒さ厳しい折ではありますが、全国各地から梅の開花だよりが届いています。梅は百花の魁と言われるように、年のはじめに、どの花よりも先んじて咲き、春を告げてくれます。また、松、竹とともに吉祥文様のひとつにもなっている縁起の良い植物です。
そんな梅に魅せられた美人画の巨匠・伊東深水は、「梅に美人」「雪の梅美人」「梅かおる」など、梅と美人を組み合わせた美人画を描きました。伊東深水は、戦前東京都大田区池上に邸宅とアトリエを構え、残念ながら戦時中に焼失してしまいましたが、現在は、大田区区立公園、池上梅園の一部となっています。梅園は丘陵の高低差を生かし、約30種、約370本の梅をはじめ、ツツジなど50種の樹木があり、四季折々の花が楽しめます。
自分磨きにお勧めの展示会情報
お雛さま―岩﨑小彌太邸へようこそ<2023年2月18日(土)-2023年3月26日(日)>
鳥居坂本邸の雛人形段飾りの背景に立つ高さ3mの川端玉章筆「墨梅図屏風」(初公開)とともに岩﨑家のお雛さまをご覧いただきます。あわせて、小彌太夫妻の日本画の師でもあった前田青邨が描いた、玄関の衝立やダイニングルームなどに飾った大作ほか、邸内で愛でられた品々で皆様をお迎えします。
没後190年 木米<2023年2月8日(水)― 3月26日(日)>
江戸時代後期の京都を代表する陶工にして画家である文人・木米(もくべい・1767~1833)。本展では、当時の文人たちが憧れた木米の個性あふれる屈指の名品を一堂にご紹介いたします。木米の陶磁、絵画、交友を通して、その稀有な生涯と木米芸術の全貌に触れる貴重な機会となります。
佐伯祐三 自画像としての風景<2023年1月21日(土)― 4月2日(日)>
およそ100年前、大阪、東京、パリの3つの街で短くも鮮烈な生涯を送った天才画家・佐伯祐三(1898-1928)。本展では佐伯が描いた3つの街に焦点を当て、風景画だけでなく、人物画や静物画も含めた佐伯芸術の造形性について再考します。東京では18年振りとなる本格的な回顧展です。